ラックマウントをはじめよう

ラックマウントとは

コンピュータ・ネットワークの分野ではサーバやスイッチ、ルータなどの機器を限られたスペースに大量に収納しなければならないことがあります。音楽制作や放送局のスタジオでも同様です。そんなとき、機器の大きさが統一されていなければ、効率よく配置することは困難です。 また、同じような大きさであっても、何台も積み重ねてしまうと下にある機器だけを取り外したいときなどは困難でしょう。 そこで、このような分野で使われる機器は規格化されたラックにネジで固定して収納できるようになっています。その上、ネジで固定することにより、大地震が発生しても機器の落下を防ぐことができます (ラックが巨大な場合はラック自身も固定します) 。 このように、機器などをラックに取り付けることをラックマウントと呼びます。 もっとも普及しているのは幅 19 インチのタイプです。さらに EIAJIS の 2 規格があり、基本的にラックと機器はそれぞれ同一の規格で組み合わせる必要があります。 現在はコンピュータ系、オーディオ系ともに EIA が広く使われているようです。

EIA の場合、ラックマウントする機器などの幅は 19 インチ (482.6 ミリメートル) ですが、高さは 44.45 ミリメートルの倍数となります。これは U という単位を使い、 44.45 ミリメートルは 1U 、その 2 倍の高さとなる 88.9 ミリメートルは 2U のように表します。

ラックマウントの魅力

コンピュータの数が 2 〜 3 台の頃は何とも思わなかったのですが、 7 台を越えたあたりからコンピュータの配置に悩むようになりました。ケースの大きさはそれぞれ異なり、まとまりがありません。市販されている普通の収納棚では無駄なスペースができてしまいます。そこでラックマウントです。ラックマウントケースは大きさが規格化されているため、無駄にスペースを消費することがありませんし、見た目もきれいです。

個人的には「一般向けではなく、プロ向け」ということにいちばん惹かれています。普通の一般家庭にはないものを自分の部屋に設置するということに強く憧れていました。

手軽なラック

さて、そんな魅力的なラックマウントですが、一般向けではありません。前述のとおり、本来はプロ用です。 4 本の柱がむき出しのオープンラックでも数万円〜十数万円はします。また、一般家庭に設置するとなると、大きさにも気をつけなければなりません。たとえば、私の部屋の天井の高さはちょうど 2 メートルほどです。 2 メートルを超えるような本格的なラックは設置すらできません。もし 2 メートルを越えるようなラックを設置できたとしても、ラックと収納した機器の重さに気をつけなければなりません。 40U を越えるようなラックいっぱいに機器を収納した場合、普通の住宅ではその重さに耐えられない可能性があります。さらに、巨大なラックは転倒すると大変危険です。しかし、一般の住宅では固定することも困難かもしれません。

このように、一般家庭で 2 メートルを超すようなラックを使うのは少々困難なこともあります。そこで、私は安くて小型のラックを購入することにしました。ぷらっとホームの「オープンラック Plat`Homeバージョン」です。大きさは 20U で購入当時は約 6 万円でした (底値は 48,000 円くらいでした) 。これはかなり安い部類です。しかも、組立式のため、将来引っ越すことになっても簡単に運ぶことができます。

現在、ぷらっとホームでこれと同じモデルは発売されていませんが、このような小型で組み立て式の 20U ラックは 2 タイプ発売されています。

コンピュータ向けではなく、音楽制作で使用するオーディオ機器を収納する 19 インチラックもあります。中には安価に求まるものもあるようですが、これをコンピュータ用として使う場合は注意が必要です。オーディオ向けラックはコンピュータ向けに比べて、強度の弱いものや奥行きの少ないものがあるようです。


公開: 2005-03-27, 更新: 2005-05-09
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