Cobalt RaQ2 の再活用

1U ラックマウントサーバ Cobalt RaQ2 を再活用するために手を加えた点について。

Cobalt RaQ2 について

Cobalt RaQ2 は Cobalt Networks (Sun Microsystems に買収されました) から発売されていたアプライアンスサーバです。 Web ベースの管理ツールにより、 Web ブラウザから簡単に設定をすることができます。また、フロントに操作ボタンと液晶ディスプレイがあり、シャットダウンやリブート、 IP アドレスの変更をその場で行うことが可能でした。

今となってはその性能は少々見劣りしますが、用途によってはまだ利用できます。しかし、 RaQ2 に採用されていた Cobalt OS (Linux ベース) のサポートは終了しているため、そのまま使うのはセキュリティ上問題があります。

Cobalt RaQ2 は CPU に MIPS 系の 64 superscalar RISC 250MHz を採用しています。発熱が少ないため、 CPU にはヒートシンクすら付いていません!冷却用のファンはケース後部に 1 つだけ取り付けられています。 i386 系 CPU を採用し、強力なファンを採用した Cobalt RaQ3 以降に比べ、動作音が静かです。

改良ポイント

1U サーバとなるとケース内部に熱がこもりやすくなります。 RaQ2 は発熱が少ないとはいえ、調べてみたところ、 CPU と電源部分が熱くなっているのが確認できました。少し気になったので、より冷却できるように手を加えました。

CPU にヒートシンク

CPU には小型ヒートシンクを取り付けました。ファンがすぐ後ろにあるので効率よく冷えると思います。

ファンの増設

続いて電源の冷却です。電源にはもともとヒートシンクが付いています。これを冷やすには空気の流れを作るのがいちばんです。ケースには最初から電源部分にもファンが取り付けられるように必要な加工が施してあります。しかし、後部に樹脂製のシートが貼り付けられているため、塞がっていました。ここは思い切ってカッターナイフでシートをくりぬきました。

RaQ2 で使えるのは 30mm 角 のファンです。今回はシコー技研の 0310-12 というファンにしました。割と静かです。コンピュータ向けではなく汎用のため、コネクタは用意する必要がありました。

HDD の交換

Seagate の ST320014A に交換しました。流体軸受けで回転数は 5400rpm のため、非常に静かです。

Debian GNU/Linux のインストール

サポートの終了した OS を使い続けるのはセキュリティ上問題があります。問題の発覚したパッケージを自分でメンテナンスしていくのは楽ではありません。そこで、他の OS に入れ替えることにします。 Cobalt RaQ2 では NetBSD や Debian GNU/Linux が利用可能です。私は使い慣れた後者にしました。

Debian GNU/Linux 3.1 (Sarge) のインストール方法は以下のサイト (英語) に非常に詳しくまとめられています。 過去に Debian のインストール経験があれば、特に難しく感じることはないと思います。


公開: 2005-03-27
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